国際協力事業団(年休)事件と継続勤務

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雇用期間1年で雇用され、その契約が毎年更新されている労働者が、

年休を取得する場合、継続勤務の要件を満たしているといえるのでしょうか。

【事件の概要】


Yは、開発途上国への技術協力を行う国際協力事業団で、

Xらは、語学講師として勤務していました。

Xらは、雇用期間1年で雇用され、その契約が数年にわたり更新されていました。

Xらは、平成7年度中に、12日または13日半の年休を取得したが、

Yは、その一部について継続雇用の要件を満たさない、

また、年休は次年度に繰り越しできないとの理由で、

Xらを欠勤扱いにしてその分の賃金を差し引きました。

そこで、Xらは、欠勤扱いによって賃金を差し引いたことは違法であるとして、

差し引かれた賃金の支払いを求めて争いました。

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【判決の概要】


X1は昭和62年4月1日から今日まで、

X2は平成3年7月8日から退職した平成8年12月22日まで、

それぞれ途中中断することなく引き続きYに雇用されていたのであるから、

その契約の形式に従って1年の雇用期間の定めのある雇用契約が繰り返し更新されたと見るか、

期間の定めのない雇用契約に転化したと見るかはさておき、

労働基準法(以下「労基法」という。)39条の適用の上では、

継続勤務したものと解すべく、Xらは各年度ごとに同条2項の規定に基づいて算出される日数の年休が与えられなければなりません。

また、当該年度に消化されなかった年休については、

当該年度中に権利を行使すべき旨を定めた法令の定めは存しないし、

労働者に休息、娯楽及び能力の啓発のための機会を確保し、

もって健康で文化的な生活の実現に資するという年休制度の趣旨に照らし、

翌年度に繰り越され、時効によって消滅しない限り、

翌年度以降も行使できるものと解すべきです。

そして、この点でもXらは継続勤務したものとして、

未消化の年休は翌年度に繰越しが認められます。

【労働基準法39条(年次有給休暇)】


使用者は、その雇入れ日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

◯2 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄の掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。

「六箇月経過日から起算した  「労働日」
       継続勤務年数」  

 一年             一労働日
 二年             二労働日
 三年             四労働日
 四年             六労働日
 五年             八労働日
 六年以上           十労働日

【関連判例】


「白石営林署事件と有給休暇」
「此花電報電話局事件と時季変更権」
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