正興産業事件と学歴詐称

(浦和地川越支決平6.11.10)

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自動車教習所の指導員として勤務する労働者が、

学歴を詐称していたことを理由に懲戒解雇されたが、

当該処分は有効なのでしょうか。

【事件の概要】


Yは、自動車教習所であり、Xは、指導員として勤務していました。

Xは、Yの採用選考において、高校中退の学齢を高校卒業と偽っていました。

Yは、Xの学歴詐称を知ることとなり、

Xを懲戒解雇しました。

そこで、Xは、懲戒解雇の無効を求めて争いました。

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【判決の概要】


Y経営の自動車教習所は、教習生に自動車運転の技術及び知識を習得させて、

運転免許を取得させるように指導する公益的な役割を担った施設であり、

その職務に直接従事する指導員としては高度の技術・知識・人格等を要求され、

かつ、指導員は教習生及び経営者や幹部職員と善良な人間的な信頼関係を保持する必要があることを考慮すると、

指導員の学歴もその職務についての適格性及び資質等を判断するうえで、

重大な要素の一つであると認められ、

Xが高校中途退学者であることが雇用時に判明していたならば、

少なくともYはXを指導員見習として雇用せず、

また、その後に指導員としての職務に配置しなかったと認められるから、

Xが学歴を偽ってYに雇用されて、指導員としての職務に従事した行為は、

重大な背信行為として就業規則62条1号所定の「履歴書の記載事項を詐って採用されたことが判明したとき。」に該当して懲戒解雇の事由になります。

【関連判例】


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