千葉不動産会社事件と強制猥褻的行為のセクハラ

(千葉地判平10.3.26)

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強制猥褻行為に該当するセクハラが行われた場合、

それが勤務場所外・勤務時間外に行われたものであっても、

会社もその使用者として法的責任を負うのでしょうか。

【事件の概要】


Y1は、不動産業を営む会社であり、Y2は、Y1の代表取締役です。

Xは、Y1に事務員として働いていました。

Y2は、パソコン画面に男女の裸の姿を出してXに見せたり、

事務所で抱きついたり、胸や腰に触れたり、

スカートの中に手を入れる等、

Xが抗議するにもかかわらず、執拗に繰り返しました。

また、Y2は、AとXを食事に誘い、

その後、気分の悪くなったXをモーテルに連れ込み、

性交渉を強要しました。

この件で、Xが抗議したのに対し、Y2は、暗に退職を求め、

結局、Xは、平成8年4月28日、Y1を退職しました。

そこで、Xは、Y2からセクハラ行為を受けたとして、

Y1及びY2に対して、それぞれ損害賠償を求めて争いました。

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【判決の概要】


Y2は、Xに対し、Xの意に反した様々な性的言動を繰り返した挙げ句、

性交渉にまで及んでXの性的自由を侵害し、

その結果XにY1からの退職を余儀なくさせたものと認められるのであって、

その行為はXに対する不法行為というべきであり、

これによりXの被った損害を賠償すべき責任が存します。

Y2はY1の代表取締役であるところ、

Y2のXに対する不法行為は、Y1の事務所内で勤務時間中に行われたり、

あるいはそれに引き続いた時間と経過の中で行われたもので、

その態様もY2がY1の代表者であり、

Xはその従業員であるという関係を利用して行われたものと評価でき、

また4月12日の件について抗議するXに対して暗に退職を求めた言動は、

まさしくY1の代表者としての行為であって、いずれの行為についても、

Y2がその職務を行うにつきなされたものということができます。

したがって、Y1もまた、商法261条3項、78条2項、民法44条1項により、

Xに対し損害賠償責任を負うものです。

【関連判例】


「金沢セクシュアルハラスメント事件とセクハラの定義」
「岡山セクハラ(リサイクルショップA社)事件とセクハラの法的責任」
「東京航空会社派遣社員事件とセクハラの法的責任」
「横浜セクハラ事件とセクハラの法的責任」
「広島セクハラ(生命保険会社)事件と過失相殺」
「福岡セクシュアル・ハラスメント事件と職場環境調整義務」
「熊本セクハラ(教会・幼稚園)事件とセクハラ行為の反復継続」
「岡山セクハラ(労働者派遣会社)事件と性的関係を迫る行為」
「大阪セクハラ(歯材販売会社)事件と性的関係を迫る行為」
「京都セクハラ(呉服販売会社)事件と噂の流布・不当な発言」
「独立行政法人L事件と不穏当な発言(いわゆる下ネタ)」
「三重セクシュアル・ハラスメント(厚生農協連合会)事件と職場環境配慮義務」
「仙台セクハラ(自動車販売会社)事件と職場環境配慮義務」